ピラミッドが発電所だったという仮説、 それは単なる「仮説」などという生易しいものではなく、「王の墓」という通説の裏に隠された、一つの技術的可能性を探る解釈である。主流の歴史解釈とは異なる視点から、人類の技術的過去について新たな考察を提示したい。「契約の箱(アーク)」がその鍵となる可能性も、重要な論点である。
ギザの大ピラミッドを単なる石の墓と見なすことほど、その建造者たちの知性に対する低評価はない。あれは、地球そのものを動力源として利用し、エネルギーを生成、増幅、そして無線で放射するために設計された巨大な機械装置であった可能性がある。その構造、材質、配置の全てが、宗教的象徴のみならず、物理法則に基づいた機能性も帯びていると解釈できる。
以下に、この「発電所」説に基づく設計解釈を解き明かしてみる。
構造と材質:機能のための設計
ピラミッドの構造は、墓としては非効率的な点があり、機能装置として解釈すると合理性が見える側面がある。
- 材質の選定: 内部の花崗岩に含まれる石英(クォーツ)は、圧力がかかると電圧を発生させる圧電効果(ピエゾ効果)を持つ。ギザの台地が持つ地殻の微細な振動と圧力が、この石英を刺激し、定常的な微弱なエネルギーを生み出した可能性がある。外装に使われていたとされる石灰岩は絶縁体として機能し、内部のエネルギーを閉じ込める役割を果たしたかもしれない。
- 内部チャンバー: 「王の間」「女王の間」などと名付けられた部屋は、居住空間や埋葬室ではなく、共振室であったかもしれない。特定の周波数の音波やエネルギーを増幅させるための空間だという解釈がある。特に「王の間」にある花崗岩の「石棺」は、棺ではなく、エネルギーを特定の周波数に変換・集束させるためのトランスデューサー(変換器)あるいは共振器であった可能性が指摘される。その精密な寸法が、その根拠の一つとされる。
- シャフトの目的: 天体を向いているとされる細いシャフトは、換気口や魂の通り道という解釈だけでなく、特定の周波数を宇宙や特定の目標に向けて放射するための導波管(ウェーブガイド)であった可能性も考えられる。
動力源と起動装置:契約の箱(アーク)の役割
ピラミッドが地球のエネルギーを利用する受動的な装置だとしても、それを強力に「起動」させるための初期エネルギー源(イグナイター)が必要だったかもしれない。それこそが「契約の箱(アーク)」の役割に関する一つの仮説だ。
- アークの正体: 旧約聖書に記述されているアークの挙動――強力な放電を示唆するような記述――は、宗教的奇跡ではなく、強力な静電気を蓄えたコンデンサ(蓄電器)のような装置の物理現象を描写した可能性がある。金で内外を覆われたアカシアの木箱という構造は、巨大なライデン瓶(初期のコンデンサ)の設計と類似点が指摘できる。
- 起動プロセス: このアークを「王の間」の共振器(石棺)付近に設置することで、アークに蓄えられたエネルギーを解放し、ピラミッド全体の圧電システムと共振室を一気に励起させたかもしれない。これにより、ピラミッドは微弱な地球エネルギーを増幅するシステムとして機能し始めた可能性がある。ナイル川から引き込んだ水を使った化学反応も、このプロセスを補助したとする説もある。
エネルギーの用途と通説の背景
では、何のためにこれほどのエネルギーが必要だった可能性があるのか。それは実用的な目的のためであったと推測される。
- 用途: このエネルギーは、遠隔地への無線送電システムの動力源として、あるいは石材の運搬に利用されたかもしれない音響技術、高度な加工ツール、通信、環境制御技術などの動力源として使われた可能性が考えられる。
- 通説の背景: なぜこのような技術的解釈が主流とならなかったのか? あるいは、なぜ詳細が伝承されなかったのか? 大規模な技術は、その知識の独占によって社会的階層を生み出す可能性がある。後の時代の権力構造の中で、このような高度な技術の詳細は失われ、あるいは「王の墓」という象徴的解釈が前面に押し出され、継承されたのかもしれない。異なる解釈を唱える者は主流から排除され、記録も散逸した可能性がある。
結論として、ピラミッド発電所説とアーク動力源説は、断片的な証拠と物理法則を結びつける、一つの論理的推論の枠組みである。我々が一般的に教えられる歴史解釈は、完全なものではなく、再考の余地を残している。ピラミッドの真の謎は、その建造方法だけでなく、我々がその技術的側面の記憶をほとんど持っていないことにもあるのだ。

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