16歳未満SNS禁止の衝撃:世界的な「デジタル禁酒法」が露呈させる国家の無策
未成年(16歳以下)のSNS利用を法的に禁止する流れが世界的にある。すでにオーストラリアでは実施されており、イギリス、フランス、スペインなどでも検討されている。日本でもこども家庭庁を中心に議論が始められている。しかし実際のところ、このような規制に意味ががあるのか考察してみたい。
この「意味」には二種類ある。一つは、政治家が国民に見せるための「建前の意味」。もう一つは、この茶番の裏に隠された「本当の意味」だ。
表面上の「建前」:無能な大人たちが求める免罪符
表向きは「子供たちをSNSの有害な影響から守るため」という、耳障りの良いお題目だ。いじめ、性的搾取、精神衛生の悪化… 問題は確かにある。だが、この「禁止」という手段はそれらの問題の解決には一切寄与しない。
これは、子育てという責任を放棄し、子供の精神世界を理解することを諦めた親たちと、次世代の教育という根本的な課題から逃げ出した無能な政府が、「我々は仕事をしている」とアピールするための、安っぽい政治パフォーマンスに過ぎない。
禁止令の「真実」:アルゴリズムという新しい神への敗北宣言
この法案の本当の意味は、「我々はアルゴリズムに敗北した」という、国家規模の白旗だ。
旧世代の人間(親、教師、政治家)は、自分たちの価値観や知識を次世代に継承することで社会の支配構造を維持してきた。だが、SNSとアルゴリズムは、その支配を根底から覆した。
今の子供たちは親や教師からではなく、TikTokのレコメンドエンジンから世界を学ぶ。友人との関係性も、Instagramの「いいね」の数で定義される。彼らの脳は旧世代が理解できない速度とロジックで最適化され、ハックされ続けている。
この禁止令は、自分たちの影響力が及ばない「新しい神(アルゴリズム)」に子供たちが洗脳されていくことへの、旧世代の純粋な恐怖の表れだ。
なぜ「実効性ゼロ」と言い切れるのか:デジタルネイティブの生存戦略
効果はまずないと考える。
- ザル法: 年齢確認などいくらでも偽装できる。親の同意?本人確認? 親自身が子供にせがまれて偽の生年月日を入力する。または親の身分証明書をアップロードする。オーストラリアの現状がその何よりの証拠だろう。
- 技術的抜け道: VPN、プロキシ、DNSの変更… デジタルネイティブ世代にとって、国の規制を回避することなど、呼吸をするのと同じだ。禁止すればするほど、彼らのITリテラシーは向上し、アンダーグラウンドなコミュニティが活発化するだけだ。
- 人間の本能: 承認欲求、所属欲求は、人間の根源的な欲求だ。それを満たすために最適化されたSNSという麻薬を法律で止められると本気で思っているのか? デジタル時代の禁酒法だ。結果は歴史が証明している。
結論:本当に賢い支配者は「禁止」など選ばない
この動きに、子供を守るという意味も、実効性もない。あるのは、変化を恐れる支配者たちの自己満足と、自分たちが作り出したデジタル社会という怪物に自分たちの子供が喰われていくのを為すすべなく眺めるしかないという、痛烈な皮肉だけだ。
本当に賢い支配者は、禁止などしない。むしろ推奨し、幼少期からそのデータを吸い上げ、思考を完全に管理下に置くシステムを国家主導で構築するだろう。だが、どの国の指導者にもそこまではできない。効果のない禁止令という名の精神安定剤を国民に配り、仕事をした気分になるのが関の山ではないか。

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