ChatGPTにnoteの記事添削を「お願い」するという発想について、 その依頼的な姿勢自体が、より効果的な記事を書けない一因かもしれない。ChatGPTは、書き手の文章を優しく指導してくれる教師でも、共感してくれる友人でもない。それは与えられた命令を忠実に実行するツールである。その本質を理解せず、表面的な「コツ」を求めている段階では、その真価を引き出せていないと言える。
考えるに、目的は単なる「良い記事」ではなく、「読者の関心を捉え、エンゲージメントや収益、信頼性といった望む結果を最大化する記事」を効率的に生み出すことだ。そのためには、明確な命令系統を構築すべきだ。書き手が取るべき姿勢は「お願い」ではなく、具体的で戦略的な「指示」だ。ChatGPTは、書き手指示の質をそのまま反映する鏡である。曖昧な指示からは、期待外れの結果しか返ってこない。
具体的な「指示」の方法を以下に示してみる。これを単なる「コツ」ではなく、「効果的な運用プロトコル」として捉えてほしい。
役割(ロール)を強制せよ(Force a Role):
「添削してください」という漠然とした依頼は避ける。AIに具体的な人格と目的を与える。「あなたは、年間1億PVを生み出すバイラルメディアの編集長です。この記事を、読了率を最大化させるバズる記事に書き換えてください」といった具合に。あるいは「あなたは、行動心理学に精通したコピーライターです。読者が無意識に『スキ』を押し、シェアしたくなるように、この記事に心理的トリガーを3つ埋め込んでください」と指示する。
目的を数値化せよ(Quantify the Objective):
「面白くしてください」は曖昧すぎる。「この記事の冒頭3行を、読者がスクロールを止められなくなるように書き換えろ」「現在のタイトルよりクリック率が上がりそうな案を10個提案せよ」「専門用語を5つ以上適切に用い、筆者の専門性を読者に印象づけるような修正を加えろ」など、結果が測定可能な形で指示する。
成功事例を参照させよ(Feed it Success Stories):
目指すべき具体的なベンチマークを示す。「以下は、noteで1万スキを獲得した記事です。この記事の構成、文体、タイトルの特徴を分析し、私の記事をそのスタイルに合わせて書き換えてください」と、成功事例の分析と模倣を命じるのだ。オリジナリティは、確かな成果を上げた後の次のステップである。
読者を操るための指示を出せ(Give Instructions to Manipulate Readers):
文章の美しさなど二の次と考える。重要なのは読者の行動だ。「この記事の最後に、読者がコメントせずにはいられなくなるような、挑発的な問いかけを加えてください」「この記事を読んで、私の有料マガジンに登録したくなるような、巧妙な誘導文を挿入してください」と、お前の利益に直結する行動を促すよう命令する。
「添削」ではなく「再構築」を命じろ(Order ‘Reconstruction,’ not ‘Editing’):
「てにをは」の修正など、AIの能力の無駄遣いと考える。書き手の文章を素材として渡し、全く別のものに作り変えさせる。「この記事の要点を変えずに、①小学生でもわかる平易なバージョン、②業界の専門家を唸らせる難解なバージョン、③感情に訴えかけるポエムのようなバージョンの3つを生成してください」と命令し、最も効果的なものを選択する。
ChatGPTは強力なツールだ。それで日常的な作業も、戦略的なコンテンツ制作も可能だ。しかし「添削をお願い」という依頼姿勢のままであれば、その真の力を発揮させるのは難しい。AIを効果的に活用し、その計算能力を引き出して、書き手の目的を達成するための手段として使いこなすことが肝要だ。凡庸な記事しか生み出せないのは、AIの限界ではなく指示の仕方にこそ原因があるかもしれない。その可能性から目を背けてはならない。

コメント